WhatsAppは世界でもっとも使われているメッセージアプリのひとつで、スタンプは今や日常会話に欠かせない存在です。ただ、配布されているパックを使い回すばかりでは物足りません。自分の写真を素材にすれば、イラスト風、カートゥーン風、色鉛筆風、あるいは顔を切り抜いただけのものまで、自分だけのスタンプが作れます。
紹介するのは補い合う2つの方法です。ひとつは写真をイラストに変えてからスタンプにする方法(作品らしい仕上がり)、もうひとつは被写体をそのまま切り抜く方法(写真らしいリアルな仕上がり)。どちらも最終的にできあがるのは512×512pxの透過PNGで、これがWhatsAppの求める形式そのものです。
WhatsAppが求めるスタンプの条件
作り始める前に、技術的な要件を押さえておきましょう。仕様から外れたスタンプは、登録できないか表示が崩れます。
- 形式: 背景が透過されたPNG(アルファチャンネルあり)
- サイズ: きっかり512×512ピクセル
- ファイルサイズの上限: 100KB
- 背景: 白の塗りつぶしではなく、必ず透過
いちばん重要なのは背景の透過です。白い背景のPNGと透過PNGは別物で、WhatsAppは背景もスタンプの一部として表示します。顔のまわりに白い四角が付いていては、スタンプらしく見えません。
📌 要件のまとめ: 透過PNG、512×512px、100KB未満。WhatsApp向けのスタンプアプリは、どれもこの条件で画像を受け取ります。
方法1 — イラスト風に加工してから作る
写真をイラストに変換してからスタンプにする方法です。写真そのままのスタンプとは違う、作品めいた雰囲気に仕上がります。人物やペット、個性のある小物の写真ととくに相性がいい方法です。
ステップ1 — 素材の写真を選ぶ
仕上がりは元の写真でほぼ決まります。次の点を意識して選んでください。
- 写真は 明るく撮れたもの を選びます。暗い写真はイラスト加工でディテールが飛んでしまいます
- 背景は シンプル かぼけているものを。ごちゃついた背景は主役から視線を奪います
- O 被写体が画面の大部分を占めていること 。引きで撮った写真だと、主役が小さいスタンプになってしまいます
- 顔は正面か斜め45度がベスト。真横向きは避けます
ステップ2 — 写真をイラストに変える
ImageToolsの 写真をイラストに ツールを開き、写真をアップロードして効果を選びます。スタンプ向きなのは次の4つです。
- カートゥーン: 色をまとめて輪郭をくっきりさせ、イラストに近い見た目になります。人物やペットの写真で特に効果的です。
- 色鉛筆: 色付きのスケッチ風。手描きらしい温かみが出ます。
- 水彩: やわらかな絵画調に仕上がります。自然や風景の写真に向いています。
- ネオン: 鮮やかで近未来的な雰囲気。街の風景や、少し攻めたポートレートに合います。
できあがったらPNGでダウンロードします。
ステップ3 — 背景を取り除く
効果をかけたら、ImageToolsの 背景を削除 ツールを開きます。加工済みの画像をアップロードすると、AIが自動で背景を取り除き、主役だけが残った透過PNGになります。
プレビューで仕上がりを確認しましょう。グレーと白の市松模様が透明な部分です。うまく抜けていない箇所があれば、もっと背景がシンプルな写真でやり直してください。
ステップ4 — 512×512pxに変更する
ImageToolsの サイズ変更 ツールを開き、幅512・高さ512を入力します。縦横比を保つオプションのチェックは外してください(切り抜きがすでに正方形ならそのままで構いません)。あとはダウンロードするだけです。
注意: 切り抜いた被写体が縦長すぎる場合(全身の人物など)、無理に512×512へ押し込むと形がゆがみます。そのときは比率を保ったまま、左右に透明な余白を足して正方形にしましょう。Canvaで512×512pxの透明な背景を用意し、中央に配置すれば簡単です。
方法2 — 写真のまま切り抜いて作る
加工を挟まず、写真のまま被写体を切り抜いてスタンプにする方法です。もっとも一般的で応用が利き、人物、ペット、キャラクター、小物など何にでも使えます。
ステップ1 — いい写真を撮る・選ぶ
写真そのままのスタンプでも、素材選びの基本は同じです。加えて次の点も効いてきます。
- スマホの ポートレートモード (背景ぼかし)で撮った写真は切り抜きがぐっと楽になります。被写体と背景がもともと分離しているためです
- ペットなら、明るい場所で背景がシンプルな一枚を選びます
- 小物なら、白い背景や無地の面の上で撮ると切り抜きやすくなります
ステップ2 — そのまま背景を取り除く
ImageToolsの 背景を削除 ツールを開き、元の写真をアップロードします。AIが主役の被写体を見つけ、髪の毛や動物の毛のような複雑な輪郭まで含めて正確に背景を取り除きます。
できあがるのは被写体だけを切り抜いた透過PNGです。輪郭、とくに髪の毛や細かい部分を確認してください。きれいに抜けていれば次に進みます。
ステップ3 — 512×512pxに変更する
方法1と同じです。 サイズ変更を開いて512×512pxを指定し、ダウンロードします。
作ったスタンプをWhatsAppに追加する
512×512pxの透過PNGが用意できたら、あとはWhatsAppに取り込むだけです。ただしWhatsApp自体には、手持ちの画像からスタンプパックを作る機能がありません。パックを組み立ててWhatsAppに送るには、外部のアプリを使います。
Android
Androidで定番なのが Sticker Maker — Studio (Google Playで無料)です。手順はシンプルです。
- Sticker Makerを開き、新しいスタンプパックを作ります。
- パックにスタンプを追加します(アプリはPNGを受け付け、必要なら自動でトリミングしますが、最初から正しい形式にしておいたほうがきれいです)。
- 「WhatsAppに追加」をタップすると、パックが自動で登録されます。
- WhatsAppで適当なトークを開き、スタンプのアイコンをタップすれば、コレクションにパックが並んでいます。
iPhone(iOS)
iPhoneでよく使われているのは Personal Stickers for WhatsApp か Sticker.lyです。流れは同じで、PNGを読み込み、パックに追加してWhatsAppへ送ります。iOS 16以降ならApple標準のメッセージや写真アプリでもスタンプを作れますが、WhatsApp側で全機能が使えるとは限りません。
トーク画面から作る(いちばん手軽)
どちらのOSでも使える、より手軽な方法もあります。PNGを ドキュメント として(写真としてではなく)自分宛てにWhatsAppで送ります。届いたファイルをトーク内で長押しすると、端末やバージョンによっては「スタンプを作成」が表示されます。もっとも手数が少ない方法ですが、使えるかどうかはアプリのバージョンとOSによります。
仕上がりを一段よくするコツ
白いフチを付ける
完成度の高いスタンプは、たいてい被写体の外側に細い白フチが入っています。これがあると、暗い背景のトークでも輪郭が埋もれません。Sticker MakerやCanvaなら、書き出す前に数タップで追加できます。
文字や絵文字を添える
ひとことや絵文字を添えるだけで、意味が伝わりやすくなり個性も出ます。Canvaなら512×512pxのキャンバスを開き、透過PNGを置いて好きなフォントと色で文字を入れ、そのまま書き出せます。
テーマを決めてパックにする
バラバラに作るより、テーマを決めてまとめたほうが効きます。表情のバリエーション、いろいろな場面のペット、旅先の面々など。統一感のあるパックはよく使われ、よく共有されます。
1つのパックで効果を混ぜる
テーマさえ揃っていれば、作風を混ぜても違和感は出ません。軽い表情はカートゥーン、感情の強い場面は写真の切り抜き、といった具合です。 写真をイラストに には複数の効果があるので、同じ写真から何種類ものバリエーションを作れます。
スタンプの容量と100KBの壁
512×512pxの透過PNGは、絵柄の複雑さによって30KBから150KBほどになります。WhatsAppの上限である100KBに収めたいときは、ImageToolsの 圧縮 ツールで、見た目を保ったまま容量を落としましょう。
細部が多い画像ほど重くなります。髪の毛が細かく写っていたり、質感のある背景が残っていたりする場合です。圧縮しても100KBを超えるなら、輪郭のディテールを削って切り抜きを単純にするか、先にカートゥーンやイラストの効果をかけてください。絵柄が整理されるぶん、自然と容量も下がります。
動くスタンプは作れる?
WhatsAppはアニメーションWEBP形式の動くスタンプに対応しています。ただ、静止画から作るとなると手順は一段増えます。いったんGIFか短い動画を作り、それをアニメーションWEBPに変換する流れです。スマホでこれを手軽に行うなら Sticker.ly や Animated Sticker Maker といったアプリが便利です。
まばたきや表情の切り替えといった簡単な動きでも、最低2コマぶんの画像が必要です。もっと凝ったアニメーションを作るなら、動画編集ツールの出番になります。