「画質を上げる」といっても、中身はさまざまです。解像度を上げること、ざらつきを減らすこと、くっきり見えるようにすること、圧縮しても劣化させないこと。それぞれに合った対処法があり、見当違いの方法を組み合わせるのが、いちばん手早く悪化させる道です。

この記事では、画像の本当の問題を見分け、状況ごとに正しい手を打てるようになるまでを順に説明します。

画像がぼやけてしまう理由

直しにかかる前に、原因をはっきりさせておきましょう。画質が落ちる主な理由は次のとおりです。

💡 ヒント:撮影時のピンボケによるぼけは、AIを使っても完全には戻せません。ここで紹介する方法が効くのは、圧縮・解像度・ノイズが原因の場合です。

AIによる高解像度化——解像度の常識が変わった

解像感を保ったまま画像を大きくする方法として、いちばん効果が高いのがニューラルネットワークによる高解像度化です。Topaz Gigapixel AIRealESRGANAdobe Super Resolutionといったツールは、何百万枚もの画像で学習したモデルを使い、元の画像には存在しなかったディテールを推測します。ピクセルをぼかして引き伸ばすのではなく、それらしい質感を作り出すわけです。

特に効果が目立つのは、人の顔、布地、自然の風景です。500×500pxの写真を2000×2000pxまで引き伸ばしても納得のいくディテールが残り、印刷やバナーにも使えるようになります。

シャープ処理——かけすぎない加減

シャープフィルターは、被写体の輪郭のコントラストを強めることで、目に「くっきりした」と感じさせる処理です。ただしかけすぎると、輪郭のまわりに白いふちが出たり、ノイズまで強調されたりします。

もっとも調整が効くのがアンシャープマスクで、PhotoshopやGIMP、オンラインツールにも用意されています。多くの画像でうまくいく設定は、量80〜150%、半径1〜2px、しきい値0〜5あたりです。

賢い圧縮——軽くしても画質は落とさない

「高画質な画像」と「重いファイル」を同じものだと思っている人は少なくありません。WebPAVIFといった新しい形式を使えば、見た目は元とほとんど変わらないまま、ファイルサイズを30〜50%減らせます。解像感はそのままで表示だけ速くなる、まるごと得な選択です。

形式圧縮方式保たれる解像感ブラウザ対応
JPG (q90)良好高いすべて対応
PNG可逆完全すべて対応
WebP非常に良好高いとても良好
AVIFさらに高い高い新しいブラウザのみ

ぼかさずにノイズを減らす

暗い場所で撮った写真にはざらつき(ノイズ)が出て、くっきり感が損なわれます。従来のノイズ除去は、ノイズと一緒にディテールもぼかしてしまうため、解像感を多少犠牲にするのが常でした。Lightroom DenoiseDxO PureRAWのような最近のAIフィルターは、本当のノイズと本当の画像情報を正確に切り分け、片方だけを取り除けます。

💡 ヒント:解像度を上げたりシャープをかけたりしたあとは、圧縮ツールでファイルを軽くしましょう。せっかく出したくっきり感を損なわずに済みます。

おすすめの作業手順

  1. 手元にある中でいちばん状態のよい元ファイルから始めます
  2. 高解像度化の前にノイズ除去をかけます
  3. サイズを大きくする必要があれば、AIで高解像度化します
  4. 仕上げに、控えめにシャープをかけます
  5. あとで編集する用にPNGで保存し、最終的に配布する段階でだけWebPやJPGに変換します

せっかくの仕上がりを保ったまま圧縮

ImageToolsの画像圧縮ツールなら、高画質のままファイルを最小限まで軽くできます。

今すぐ画像を圧縮

よくある質問

無料の高解像度化ツールでいちばん質がよいのはどれですか?
汎用ならRealESRGANがもっとも優秀な無料モデルです。デスクトップ用の無料アプリUpscaylや、いくつかのウェブ版から利用できます。人物の顔写真であれば、GFPGANのほうがよい結果になります。
Photoshopの「ディテールを保持 2.0」で解像度を上げれば、AIと同じくらいきれいになりますか?
いいえ。従来のバイキュービック補間よりはずっと優れていますが、多くの場面では最近のAIモデルに及びません。仕上がりを最優先するなら、Topaz GigapixelやRealESRGANのような専用ツールを使いましょう。
同じ方法で動画の解像感も上げられますか?
できますが、手間も時間もかかります。1フレームずつ処理するか、Topaz Video AIのような動画専用ツールが必要です。静止画であれば、はるかに手早く実用的な結果が得られます。